このシリーズB-3では、満州事変から盧溝橋事件までの愛国婦人会の諸活動をみることにする。この時期愛国婦人会は会員数を激増させ、分会・分区・班などの地方組織も整えていった。それは戦時体制によるところが大きかったといえよう。 戦時体制のもとに愛国婦人会は独自にさまざまな運動を行い、他の団体と共同の運動にも参加した。この戦時体制は愛国婦人会の活動にどのような影響を与えたのか。 まず愛国婦人会の本来の活動である軍事援助は、どのような形に変わっていったのかをみることにする。愛国婦人会は慰問袋の募集などで他の団体よりも格段に大きな力を発揮している。また、幾度も軍慰問使が派遣した。 大正時代から本格的にはじめられた愛国婦人会の主に婦人や児童を対象とする社会活動は、この戦時体制の中でどのように変化していったのであろうか。 この時期、地方の支部にはかなりの自主権が与えられたことは前述した。支部・分会・分区などでは実際にどのような活動をおこなったのであろうか。それぞれ独自の工夫を凝らし、自分たちの資源を増やすための多彩な活動の一端をみる。 |