思案の果てに




そこに在るもの。
今、そこに在るもの。
それは一部でそれは全てで、
僕はそれを選ぶ。
言葉は無い。
今日もイイ華が咲く。今日もイイ風が吹く。
愛される事の無い華は風と会話する。
街角の子猫にすら忌み嫌われ、
日を見る事すらできず、
それでも華は日々、
咲いた。
ちっぽけな躰、
醜い躰をあらわに晒して、
華は咲き続けた。
誰にも愛されない華は、
皆を愛して‥咲いた。



名など‥
名など無くてよい。
袖濡らしたあの夜のそなたは美しかった。
寒さ‥そなたに降り掛からぬ痛みなら‥
耐えてみせよう。
そっと盃に枯れ葉が映る。
妾は待っております。
瞞されても、名の無き妾はそなた無しではただの殻。
風よ、お伝え。妾の香りをかの者へ。



生きてきたね
風と共に 雲と共に 花咲き乱れ 虫も鳥も謳歌する
大地を駆け巡った争いの閧の声も宴に変わる
宵が血を叩く
瞳潤わせ大地抱く
そう。いつもそこには君がいる


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