三セクター分立の概念




本書は、私の青年期の長い精神世界における旅――理論物理学者になるまでの体験――に基づく。私は日本で東京 理科大学の四年間、大阪大学大学院で五年間の教育を受けた。さらにアメリカ、ユタ大学の物理学部Ph.D.コース で四年間の教育を受けた。この十数年間に見てきたこと、その間にずっと考え続けてきたことを文章に表現したもの が本書の内容である。この意味で、本書は売れる売れないに全く関係なく、私にとっていつか絶対に書かなければな らないものであった。ショーペンハウワーの言う、第一のタイプの著作である。

 私がPh.D.を取得した後の一九九〇年の夏、比較的時間の余裕ができたので、私は本書の源となる論文を書く決心 をした。そしてそれはソルトレイクシティーの私のアパートで最初に書かれた。そして、一九九一年八月に日本物理 学会、物理学者の社会的責任サークル誌「科学・社会・人間」に初めて公表された。本書は、いくらかの細かな点を 除いて、ほとんど全てこの論文を基にしている。ほとんど原文のままであるが、多少説明を加えたら良いと思われる 部分を補足として各章に対して行い、それらを脚注として付け加えた。私は本書を書いたとき以上の精神的集中を 持って著作を書くことは、人生でもう二度と出来ないだろうと思っている。


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