きらる 2013春




シンプル。

日疋士郎/作
ふたたび

うごけるよろこび
はたらけるよろこび
はらがへるよろこび
たべられるよろこび
きみと
むかいあって
すわって
いっしょに
わらえる
となりで
いっしょに
あるける

おおきな
よろこび。

土に眠る

若菜つばき/作
明日を生きようと 燃やす血潮が
届かない願いの 未練が
残されしものの 嘆きが
土に眠った あまたの想いを糧にして
春に花咲く それは一言に
“美しい”では片づけられない

なんとなく 哀しくて なんとなく 励まされ
なんとなく せつない
なんとなく あなたのその情の器は
とても大きすぎるのだと 思った

わたしはただ 涙することしかできない…
大きすぎる
あなたの愛を まえにして

日陰

花/作
貴方に会える間、
涼しくて
良かった

火傷の痕を
見せずに
済むから


貴方は 私の
陽気を信じた

日陰の外で


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