WEB PAGE VII




冬ぬくきことなど云ひて雨宿り


一日の重さに凹む蒲団かな


ざら紙のおもてうら無き寒さかな


虫の屍の浮みて寂し冬の水


冬怒濤見足りし夜の熟睡(うまい)かな


芥燃す火の美しきしぐれかな


千本の枯桜とぞなりおほす


冬桜いまが見頃の淋しさよ


底冷の紫がかり比叡(ひえ)暮るる


底冷の底を奔(はし)りて蒼き川


一対の白狐に見られ神の留守


燗熱し酔ひはいよいよ目頭に


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