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てのひらに大河を掬ふ日永かな
秋風が下りてくるなり無人坂
檸檬の香かの人のゆび思ほゆる
言の葉を撰(え)りて語らふ露の夜
夢の世に咲きて淋しき寒桜
うららかや京のお菓子は見るもんどす
春の夜やをどる姿の京人形
桜散る奥に読経の永きかな
甘雨あり繁吹き雨あり濃紫陽花
炎天のまま昏れてゆく無音かな
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