鈴木保の生涯

‐ 赤坂の画狂人 ‐



データ

著者・編者名 作品の分類 ページ数
赤見正行 美術 219

書籍サイズ 定価(税込) ISBN
A5 2,640 978-4-86420-142-1




概要(「はじめに」より抜粋)
『売るための絵は描かない』

画家・鈴木保は現代において稀な人間です。それは自己を確立した本当の人間と言っても過言ではないと思われます。日本人としての集団的発想は彼の精神にこれっぽっちもなく、あくまで「個」として確立された人間だからです。それは自己の生き方を限定して、一生を貫き通した人間だからです。

鈴木保は平成24年(2012年)10月27日に亡くなりました。87歳と8ヶ月でした。彼が16歳の時に太平洋戦争が始まりました。そして戦争を憎みました。そのため彼は鉄砲を絵筆にかえました。そうすることで人を殺すことはしなくてすむからです。当時絵を描くことは軟弱で非国民。軍人以外は人間のうちに入れてもらえないのかと彼は悩みました。そして彼は画家になることを選びました。戦争が彼を画家にしたのです。画家は世の中との関係を断ったところで成立する。それが鈴木保の生きてきた平行感覚でした。彼は言葉、言葉、言葉で考えた生き方をしました。絵を売るとか、売らないとか、今日の画家にもつなげることができないまま年月が経ちました。そして、世の中が経済成長する時代でも、世間との関係を一切断ち切りました。

私は希有な考え方・生き方をした画家は二度と出てこないと思い、書いておきたい思いがあり、筆をとった次第です。

目次
はじめに

第一章 画家・鈴木保との出会い

第二章 絵描きを志した三十代

第三章 鈴木家、来客との日常会話風景

第四章 思い出の昭和史より

第五章 鈴木家の家系

第六章 絵の特徴とモデル達

第七章 保ちゃんと一緒に行った時の出来事

第八章 鈴木保と岩崎ちひろの接点

第九章 人生と芸術

第十章 鈴木保の生き方と絵画

第十一章 彩美術協会の設立から始まる千葉県の上総デッサン館、
     新潟県小国町の彩美会館とNPO法人アート・トラストの関係

参考文献

あとがき


著者紹介
赤見正行(あかみ・まさゆき)

1950年、群馬県に生まれる。
1970年、北里衛生科学専門学院卒業。
1975年、東京理科大学理学部U部化学科卒業。
1970年、東京大学医科学研究所・ウイルス感染研究部。
1976年、同上を退職。
1977年、群馬県へ入庁(群馬県衛生研究所)。
2010年、群馬県庁退職。「安中現代美術館」を開館。


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